MUYU

白磁は、私にとっては形態とか釉調だけではなく、一つの真理みたいなものかもしれない。真理を知りたいという欲求があります。それはこの世ではないのかもしれないという思いもありますが、僕は何かそういうものが欲しい人間なのです。僕は白磁という方法論をもって真理を知りたいと思っているのかもしれない。もしくは白磁というものが真理だと思いこんでいるのかもしれない。ですから、本当は、白磁というものができ得るはずだと思っているのです。うまく説明できませんが、この世では形態で具体化しないと人には読み取っていただけないから、私は白磁というジャンルで、それを言葉に置き換えている。器というモチーフをもって一つの言葉をつくっているような気がするのです。 - 黒田泰蔵

略 歴

1946年 1月1日、滋賀県能登川町(現在の東近江市)に生まれる。
1966年 1月、フランス郵船「ベトナム号」で、スリランカなどを経由し、
3月、マルセイユに到着する。
1967年 5月、カナダのケベック州ノース・ハトレーに移る。島岡に紹介された
モントリオールの美術学校ペンランド・スクール・オブ・クラフツの教授
ゲータン・ボーダン (Gaétan Beaudin, 1924 – 2002) のもとで働き始める。
1970年 一度目の帰国。栃木県益子町で島岡達三に
約6か月間陶芸を学ぶ。
このとき島岡の師であった
濱田庄司(陶芸家、1894-1978)にも会う。
1971年 12月、カナダへ戻る。
1973年 二度目の帰国。
島岡達三のもとで再び 陶芸を学ぶ。
1974年 12月、カナダへ戻る。
1975年 製陶会社シアル(SIAL, 1981年 解散) においてブランディングディレクターを務める。
1978年 シアルを退社し、
ケベック州サン=ガブリエルに築窯。
自身が古民家を改装したアトリエで、
色絵磁器を制作する。
1980年 3月、日本に帰国。
1981年 静岡県賀茂郡松崎町にて築窯。
1984年 渋谷パルコ・コートIII 一階に
「セラミックスタジオTAIZO」を構える。
(1987年に閉鎖)
1987年 戸田博(谷松屋戸田商店 /大阪)と知り合う。
1988年 ニューヨークへ旅行する。
1991年 静岡県伊東市富戸に築窯。
「轆轤成形、うつわ、単色」の原則に基づく
白磁作品の制作を開始する。
1992年 初めて白磁作品を発表。
1997年 安藤忠雄(安藤忠雄建築研究所 /大阪)と知り合う。
2001年 作品集 “White Porcelain (黒田泰蔵白磁作品集)” がアムズアーツプレスから刊行。
2005年 安藤忠雄から吉井和人
(Yoshii Gallery New York /ニューヨーク)を紹介される。
2009年 作品集 “ Taizo Kuroda” がPrestel から刊行。
2016年 アトリエを新設する。
2019年 作品展示のためのギャラリーをアトリエに隣接して設ける。建築は 安藤忠雄。
2021年 4月13日、永眠(75歳)

展覧会歴

シャトー ラ コスト(ル プイ セント レパード、フランス)
Taizo Kuroda Céramiques 
2019年6月8日−8月13日

大阪市立東洋陶磁美術館(大阪)
黒田泰蔵
2020年11月21日2020 – 2021年7月25日

Yoshii Gallery (ニューヨーク)
Design Miami/Basel Switzerland (バーゼル, スイス)
2008年6月2日–6月5日

ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)
黒田泰蔵 白磁
2019年1月12日−4月9日

Yoshii Gallery (ニューヨーク)
Taizo Kuroda White Porcelain – Cylinders
2017年4月27日−6月30日

J.M.WESTON 青山(東京)
黒田泰蔵 白磁
2020年10月

Yoshii Gallery (ニューヨーク)
Taizo Kuroda White Porcelain – Meiping
2019年5月2日−6月22日

ADAA The Art Show(ニューヨーク)
Yoshii Gallery(ニューヨーク)
Taizo Kuro: White Porcelain, November 2023

1982年 1月 「黒田泰蔵の陶器展」 Savoir Vivre (東京)
1983年 6月 「黒田泰蔵作陶展」 阪急うめだ本店美術画廊(大阪)
1984年 9月 「黒田泰蔵作品展」 阪急うめだ本店美術画廊(大阪)
1985年 8月 「黒田泰蔵作陶展」 西武百貨店池袋本店美術画廊(東京)
1990年 4月 「黒田泰蔵展」 天野画廊(大阪)
1992年 1月 「黒田泰蔵 作陶展」 桃居(東京):白磁初個展
1998年 6月 「黒田泰蔵作陶展」 日本橋三越本店美術特選画廊(東京)
2000年 6月 「黒田泰蔵展」 日本橋高島屋美術画廊(東京)
8月 「黒田泰蔵展」 高島屋大阪店美術画廊(大阪)
9月 「うつわをみるー暮らしに息づく工芸」 東京国立近代美術館(東京)
2001年 10月 「黒田泰蔵 茶陶展」 谷松屋戸田商店(大阪)
2002年 4月 「近代の工芸:百年の歴史」 東京国立近代美術館(東京)
5月 “Taizo Kuroda” Tong-in Gallery(ソウル)
2003年 5月 「黒田泰蔵展」 高島屋大阪店美術画廊(大阪)
2004年 6月 「黒田泰蔵展」 日本橋高島屋美術画廊(東京)
2005年 4月 「黒田泰蔵展」 横浜高島屋美術画廊(神奈川)
12月 「黒田泰蔵展」 高島屋大阪店美術画廊(大阪)
2006年 4月 「黒田泰蔵展」 日本橋高島屋美術画廊(東京)
8月 「現代の茶陶―造形の自由と用の見立て」智美術館(東京)
12月 “Taizo Kuroda: White Porcelain, Design Miami 2006” Design Miami(マイアミ、アメリカ)Yoshii Gallery (ニューヨーク)による
2007年 5月 「黒田泰蔵展」 新宿高島屋美術画廊(東京)
2008年 6月 “Tazio Kuroda: White Porcelain, Design Miami/Basel 2008” Design Miami/Basel Switzerland (バーゼル、スイス)Yoshii Gallery(ニューヨーク)による
12月 「黒田泰蔵小品展 白いかたち」 聊娯亭(東京) Yoshii Gallery(ニューヨーク)による
2010年 11月 「黒田泰蔵展」 吉井画廊(東京)
2012年 4月 “The Elegance of Memory: Craft Arts in Modern Japan” Palazzo Pitti, Galleria Palatina (フィレンツェ イタリア)
9月 「現代の座標―工芸を巡る11の思考」 東京国立近代美術館(東京)
2013年 4月 「黒田泰蔵展」 谷松屋戸田ギャラリー(大阪)
6月 「黒田泰蔵展」 Kaikai Kiki Gallery (東京) 谷松屋戸田ギャラリー共催
9月 「現代の名碗」 智美術館(東京)
2014年 10月 「黒田泰蔵 個展」 WASALABY(東京)
2015年 4月 「シンプルなかたち:美はどこからくるのか」 森美術館(東京)ポンピドゥセンター・メス(フランス)エルメス財団特別共催
9月 “Taizo Kuroda” 遊庵(東京)
2016年 9月 「革新の工芸―”伝統と前衛”、そして現代―」 東京国立近代美術館(東京)
2017年 4月 “Taizo Kuroda White Porcelain – Cylinders” Yoshii Gallery(ニューヨーク)
9月 “Fine Arts Asia 2017” 香港、台湾、京都
2018年 4月 「黒田泰蔵展」 思文閣(京都)
2019年 1月 「黒田泰蔵白磁」 ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)
5月 “Taizo Kuroda White Porcelain - Meiping” Yoshii Gallery(ニューヨーク)
6月 “Taizo Kuroda” シャトー ラ コスト(ル プイ セント レパード、フランス)
2020年 10月 “Taizo Kuroda White Porcelain” J.M.WESTON 青山(東京)
11月 「黒田泰蔵」 大阪市立東洋陶磁美術館(大阪)
2021年 5月 “Taizo Kuroda White Porcelain WARE-DAIZARA” Yoshii Gallery(ニューヨーク)
8月 「黒田泰蔵 白磁の道」 益子陶芸美術館(栃木)
2022年 4月 「Thinking of Taizo Kuroda」吉井画廊(東京)
2023年 11月 “Taizo Kuroda White Porcelain” Yoshii Gallery(ニューヨーク)
11月 “Taizo Kuroda: White Porcelain” ADAA The Art Show(ニューヨーク)Yoshii Gallery(ニューヨーク)による

その他、ギャラリーNOW(富山)、しぶや黒田陶苑(東京)、t . gallery (東京)、うつわ菜の花(小田原)、あかまんま(群馬)、
hiromiyoshii(東京)、Tristan Hoare(ロンドン)などでの個展多数

美術館・パブリックコレクション
東京国立近代美術館、大阪市立東洋陶磁美術館 、益子陶芸美術館(栃木)、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)
楽翠亭美術館(富山)、 薬師寺(奈良)、クリーブランド 美術館(オハイオ州、米国)、ブルックリン美術館 (ニューヨーク州、米国)
バード・ホフマン・ウォーター・ミル財団(ニューヨーク州、米国)、ディア・ビーコン(ニューヨーク州、米国)、ミネアポリス美術館(ミネソタ州、米国)、ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン、英国)、シャトー ラ コスト(ル プイ セント レパード、フランス)